メキシコの地下鉄

学生時代にメキシコへ旅行したときのこと。

基本的に地下鉄で移動していましたが、日本を発つ前から先輩に「地下鉄はスリが多いから気を付けろよ」と言われておりました。気を付けていてもすられたことに気付かないくらい巧妙な手口が多いそう。

その日はタイトなスケジュールで動いていたため、移動時間は少しでも短くしたいという気持ちがありました。
地下鉄のホームへ続く階段を下りようとしたとき、すでに電車が来ているのが見えました。
友達と一緒に走ったところ、閉まりかけたドアを身体で押さえて「早くおいで!」と言ってくれた紳士がいました。

「ラッキー!いい人!」と思いながらそのドアへと滑り込みました。
ドアが閉まると、そこにはガタイのいいお兄様たちが4人ほど。
いつの間にか私たち3人は囲まれていました。
いや、いつの間にかというか、すり軍団に恰好のエサとばかりに呼びこまれたわけですね。

そこからはもうもみ合いのようにバッグを守りながら、目的地ではない次の駅までどうにかやり過ごし、逃げるように降りました。
あんなのもうすりというレベルではなく、強盗ですよ…。
しかし、誰が見てもバッグを奪おうとしているのは明らかだったのに、周りの人は誰も助けてくれない。
きっと日常茶飯事なんでしょうね。

全く関係ないけど、必死でバッグを守っている間、車両の奥の方で濃厚なキスをしているゲイカップルがいました。
一目も憚らず男同士で抱き合いずっとキスをしています。

メキシコはカオスか、と思いました。